滋賀県:野宿者に敷金支給を 生活保護支援、住居生活の判断柔軟に−−市町指導へ
滋賀県:野宿者に敷金支給を 生活保護支援、住居生活の判断柔軟に−−市町指導へ
生活保護の受給要件である住居確保のため自治体が敷金・礼金を支給する制度について、滋賀県が近く、県内市町を集めて支給に向けた運用をするよう是正指導する。施設に入れない野宿者について、ほとんどが「住居での暮らしを維持できるか判断できない」として申請を受け付けていないためで、他県のように面接などによる柔軟な対応を求める。
厚生労働省は住居で暮らせることを条件に生活困窮者への敷金・礼金支給を促しており、野宿者の場合、多くの自治体は2週間ほど施設に入所させ、生活費や健康の管理などができると判断すれば支給している。
ところが、滋賀県では野宿者らを保護する5施設が重度障害者救護施設で長期入所者が多く、大津市では毎年約30件の野宿者の申請のうち入所できるのは数件。兵庫県などは住居生活が長く突然解雇された場合は事情を聴くだけで支給するなどしているが、滋賀県によると、県内13市13町のうち入所できない人の敷金・礼金の申請を受け付けているのは甲賀市だけ。
支援団体「大津夜まわりの会」などが家主側と交渉して敷金・礼金不要の物件に入居させる取り組みをしているが、物件に限界がある。不況で解雇が進めば、社宅や寮を追い出されたうえ、敷金・礼金がなくて住宅を確保できず、生活保護を受給できないケースが増える恐れがある。
同会副理事長の竹下育男弁護士は「入れもしない施設への入所が条件なのはおかしい。寮や家で生活していた人には、敷金・礼金を出すべきだ」と指摘。県健康福祉政策課は「景気の先行きは不透明であり、多角的に判断してもらうよう徹底する」としている。【稲生陽】
◇厚労省保護課の話
各自治体が支給を決めるにあたって申請者が住居生活をできるかの可否をどう判断しているのか、全国の状況を把握しているわけではないが、空きがない施設への入所を条件にすると、申請者の保護がどうなるのかという疑問もある。
毎日新聞 2009年1月10日 大阪夕刊
失業者を救う制度は、本来もっと多様であるべきところであるが、
健康保険に入れていない、失業給付の受給要件を満たさないなど、
他の社会保障制度に守られていない人が増えている中では、
生活保護制度の果たすべき役割は大きい。
その生活保護が、住居の要件を理由に窓口ではねている現状がある。
どんな理由かと言うと、
「住む家がないため、路上で生活している」
「賃貸契約が他人名義である」
などであるが、中には、
「家賃が高いから」
という理由で拒まれた人もあった。
「住む家がない」人には入所施設に入ることを条件にしていることがあり、
しかしその施設がいっぱいで入れないために生活保護も受けられないというのなら、
問題だ。
プライバシーのない施設入所を生活保護を受ける条件にして、
踏み絵のようにしているような気もするなあと、わたしは思う。
だから、上記の滋賀県の方針はとても前向きだ。


