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うみぼうずさんのケースワーカー日記 児童相談所から福祉事務所へ |
2009.11.10

思い切れない

離婚をする、という相談は多い。
その一方で、なかなか離婚や別居に踏み切れない人もいる。
もはや修復は無理だろうにと思うのに、
それでも独立して生活することになかなか踏ん切れない。
菊子さんはそんな人の一人だ。
彼女はもう長いこと、夫ともめていた。
彼女と夫とは、価値観の違いが大きいようだ。
夫は、専業主婦の菊子さんに
『お前は仕事にいかなくて、いいなあ』という。
菊子さんの掃除の仕方で文句をいう。
家計の管理、お金のことでぶつかる。
冷静に話し合えればよいのだが、
夫は物を投げ付けたり、たたいたりけったりするから、
話し合いにならない。
菊子は、夫を怒らせないように気をつかっているのだが、
そのためもあって困りごとを夫と相談することができない。
そして自分一人でやったところが夫に見つかって、夫が怒りだす。
一番の被害者は、子どもだ。
家の中で、落ち着いた日常を過ごせない。
父親の暴れる姿を見て不安な日々。
母親である菊子さんが、子どもを守るという決断をしなければ、
いつまでも振り回されてしまう。

2009.11.02

引っ越し

DVで母子生活支援施設にいった幸子おかあさん。
地方裁判所で、保護命令が無事に出た。
夫の退去命令も出たので、警察署の協力を得て、
元の自宅に衣類や思い出の品を取りに戻った。
おかあさんは、ひとりでここまで来ることは、
夫がその辺にいたら怖いので、
ちょっと離れた駅で降りて、わたしが迎えにいった。
それから警察官の立ち会いのもとにお家に入って、荷物と格闘した。
母子生活支援施設の他のおかあさんたちの中には、
家から荷物をトラックに満載して取ってくる人もあるらしい。
幸子さんはトラックに満載とはいかなかったけど、
それでもとりあえず、冬ものの衣類やアルバムなどを持ち出した。
衣類も大事だけど、子どもたちの描いた絵とか写真は、
買うことができないとても大事なもの。
ちゃんと持っていけてよかった。
その後、子どもたちの通っていた学校にごあいさつにいくと、
知り合いの保護者に出会ったり、担任の先生と話したり。
みんな心配してくれていて、涙の再会。

2009.10.28

保育所の役割を考える

保健所の保健所師さんが福祉事務所の保育所の係に来ている。
気になる子どもがいて、もっとはっきりいえば、虐待のおそれがある子がいて、
その子を保育所になんとか入れてほしいと言っている。
ところが、応対している保育所担当職員は、まるで入れる気はないようだ。
保育所担当職員の頭は、保育所は働くおかあさんの子だけを対象としているかのようだ。
気になる家庭の子は、保護者が保育所の入所にそれほど前向きでなくとも、
説得してでも入れるべきなのだが。
保健師は何度も頼みに来ているが、福祉事務所の方は、応ずる雰囲気でない。
この姿勢の差は、どうしたらよいのだ?
この仕事に対する姿勢、この社会をどうしていきたいかという考えを問われていると思う。

Posted at 19:59 | 社会福祉 | COM(2) | TB(0) |
2009.10.27

爪噛み

人は安心して暮らしたいものだ。特に家庭では。
しかし、人生にはさまざまな事が起きて、
軌道を修正しなければならないことがある。
DVで避難をしなくてはならないおかあさんが相談に見えた。
ここがその相談窓口だと、よくわかったものだ。
でも相談できて、よかった。
子どもが学校から帰ってきたら、
一緒にすぐに女性センターへいくことになった。
送っていく。
子どもは、素直なかわいい子だ。
住む場所が変わるということで緊張しているのだろうか。
なんだかとても丁寧な言葉で話す子。
いっぱい我慢をしてきたのかもしれない。
爪が噛まれて、すごく短くなっていた。

2009.10.26

親権と扶養

児童扶養手当の制度の融通のきかなさ。
そしてそれに付随する他の制度もまったく融通きかないのである。
咲子さんたち母子は、母子で生活しているのに、
別れた父が子どもを扶養家族に入れていていて、
父が所得税の控除を受けている。
だから母は、扶養控除を受けられない。
母は、控除がないために所得オーバーで、
児童扶養手当を受給できないのだ。
控除を受けられれば、わずかでも児童扶養手当を受給できるのに。
そしてわずかでも受給すれば、高等技能訓練促進費も受けられるのに。
母は、離婚の際に、子どもの親権を父にゆずったために、
扶養に入れられないことを仕方ないと思っているようだ。
親権と扶養とは実は別なのだが。
親権って、何なのだろう?